翌日から慧との距離を取るようになった私。
気づけば慧と話さない日々は2週間を過ぎた。
慧は学校中は誰とも話さないし、私と目が合っても微笑むぐらい。
問題は帰りだ。
――
「じゃあ今日は各自かいさーん。」
「「「さよならー」」」
先生が教室を出て行ったと同時にみんなが鞄に教科書を収める。
私も横にかけている鞄を机の上に置き、教科書を鞄に詰め込む。
「あ、今日日誌だ」
ふと黒板を見ると日誌係は私になっていた。
「こんな暑い中書くのかー?」
ドンマイ、と笑っているのはすっかり仲良くなった武田君。
「・・・そんなこと言うなら代わってよ・・・」
「あー、ごめん、そうしたいのはやまやまだけど俺部活」
「もー!!」
「はいはい、お二人さーん。仲良くするのはいいけど私たちもいれてー」
急に会話に入ってきたのは、那都と茉緒。
那都に限っては
「・・・今日もすっごく不機嫌だったよ?」
「・・・知らないよ、向こうが急に・・・」
「急に?」
「・・・なんでもないっ」
慧の隣の席だから、かなり雰囲気がわかるのだろう、こっそり耳打ちをしてきた。