返事をしない。


どうやら寝てしまったようだ。


「・・・ありがとう」


面倒見てくれたんだ。


だけどだいぶ寝てしまっているから、そろそろ起きないとまずいかもしれない。



体をゆっくり起こす。


少しくらっとしたが普通に起き上がることができた。


なるべく慧に当たらないように伸びをする。



「あ、タオルケット・・・」


足元を見ると冷えないようにだろうか、お腹のあたりからタオルケットがかけられていた。



さりげない慧の優しさに、胸がトクンと弾んだ。



「もう、慧が冷えるじゃない・・・」


かけられていたタオルケットをゆっくり慧にかける。



・・・きれいな寝顔だなあ。


お人形さんみたい。



「・・・・ん・・・・」



小さく声を発した慧は細く目を開けた。



「・・・・よかった、風優・・・」



そしてふわりと微笑み、私の頭をポンポンと撫でた。