一瞬何を言われたかわからなくなった。 だけど、すっと耳に入ってきた一言一句。 すべてを聞き終えた私は夕日に負けないぐらい赤かった。 「どうしたの?顔が赤くなってる」 「ゆ、夕日!!!」 「そっか。ほら、帰ろう。立ち止まっているとすぐに日が暮れるよ」 そういって微笑む慧。 きっと、何もかもお見通しのくせに。 少し負けた気分になったから、 「慧だってすごくきれいだもん」 とつぶやいた。