そういってぎゅーっと横から抱きつかれる形になる私。
「わ、ちょ、っと、」
「おい、那都。」
いきなりで取り乱した私を見越して、茉緒が那都の服を引っ張る。
「あ、ちょ、襟千切れるから!ちょ、ちょっと待ってー!!」
さっきまでにこにこしていた那都が今度は泣きそうな顔をして茉緒をにらんでる。
それがすごくおかしくて、またふふっと笑ってしまった。
「・・・ははっ」
そして茉緒もつられたように笑って。「なんだよもー!!」とか言いながらも、那都も笑ってた。
全開の窓から、じめじめした6月の風。
幸せ、だなあ。