なるべく音をたてないように、と思いスリッパを脱いで裸足で階段を上る。


ガラス張りの扉を開けて、テレビの前の白いソファーにとすんと座る。



「・・・」



そのまま横になり、月の光に照らされる天井を見る。



「忘れちゃ、いけないことなのに」



・・・今なら、今なら誰も聞いてないから。




「・・・どうして、全部全部、もってっちゃうの・・・」




すべて、包み隠さず。





「・・・・どうして・・・・」



涙は、頬を伝い。


白い白い布地に、小さなシミを一つ作った。