「「「いただきます」」」 3人の声が重なった後、かちゃかちゃと食器とフォークが当たる音がする。 「これおいしいな」 「そう?良かった。あ、風優そこのドレッシングとって」 「はい」 「ん、ありがと」 来たる夜。いつもと変わらない風景。 だけど、一つだけ。 記憶の断片がうずく。 『もっと思い出せ』と。 私の中の『夜』の部分も――― 来たる、かもしれない。