静かな帰り道。


だけど気まずいとかじゃなくて、とても心地よい。





「ねえ、」




「何?」


オルゴールみたいに心に響く声。



「慧は、どうして・・・」


ハッと思った。


誰だって聞かれたくないことだってあるし、


私にだってある。


聞いてよかったのかと、『どうして』で止まってしまう。



「できるだけ答えるよ。風優に聞かれたことだから」




そういって極上の笑みで私に言う。




「どうして、・・・」



そんなこと言われたら



「どうして、教室での慧は怖いの?」