慧だと分かった瞬間、頬が少し熱くなった。



彼はすごく端正な顔立ちだ。

ここから見えるのは横顔だけだが、艶のある黒髪に映える白い肌と風に遊ばれる白いシャツ。


そしてある一点を見つめた翡翠の瞳。



どれをとっても完璧なのだ。



足を止めて彼の横顔を見つめていると彼がゆっくりと顔を上げ




私と目が合う。




体中がぞくりと震え、ほほがこれ以上ないぐらいに熱くなったのが自分でもわかった。




「・・・っ」


恥ずかしさと顔をそらしてしまった罪悪感でもっと顔をうつむかせる私。






「こんなに遅くまで、何をしていたの?」




不意に近くで声がした。



驚いて顔を上げると、微笑む慧がいた。