――時間は飛び、もうお弁当の時間になっていた。
いつものように茉緒と那都とお弁当を広げる。
いつもは「誰々が誰々を好き」とか「何々では何々が流行ってる」みたいな話題になるが。
「ふうー・・・あの人とはどういう関係!?」
やはり那都は、逃がしてくれなかった。
「や、面識ないって・・・」
「でもでもーっ!すっごく優しく微笑んでたし!!不覚にもちょっとドキドキしたよー!!」
だんだんヒートアップする那都に
「落ち着けどーどー。・・・まあ、あたしも気になるかなあー。『覚えてなくても俺は君に助けられた』って・・・ねえ?」
「ほ、ほんとになんにも思い出せないっていうか・・・」
思い出したく、ないんだ。