「ちょっ、笹宮?・・・大丈夫か?」
隣の武田君がすごく心配してくれてる。
ありがたいと思う反面、申し訳なさも募った。
「だ、大丈夫、よくあるから」
とっさの嘘でごまかし、心配してくれてありがとう、とお礼を言う。
「や、別に、大事に至らないなら、うん、」
お礼を言うと武田君が少し顔を赤くしていた。
「・・・?武田君も顔、赤いよ・・・?」
「あ、これは、それ、今日暑いから!であって!」
そうして半袖のカッターシャツのボタンを開け、あちーなあちーなーと言いながら、シャツをパタパタしている武田君。
「・・・暑いって・・・まだ6月だよ?」
面白くて、ついふふっと笑うと武田君もははっと笑って
「ほら、俺暑がりだからさ」
といった。
そうして他愛もない話をしていると
すっかり頭の痛みは取れていて、少し安心して
武田君にも感謝した。