「・・・・ちょっと・・・・」 そばから聞こえた声に反応して、また元の世界へと戻る。 また自分の世界に入ってた・・・ 「・・・どうしたの?」 声の主は茉緒だった。 「風優、・・・あの人と喋った・・・?」 あの人、と茉緒は言った。 慧のこと? 「あの人って、慧のこと・・・?」 慧、とまた言葉に出すのは少し緊張した。 茉緒は無言でうなずく。 他の人たちを見渡すと、皆呆然と私のほうを見つめていた。