ふう、とひとつ深呼吸をした。
私、緊張してるみたい。
よし、と少し硬くこぶしを握り締めて
騒がしい教室へと足を入れた。
途端にしんとなるクラス内。
極度の緊張の中、自己紹介をするように先生に頼まれた。
「・・・・・・・」
「「「「・・・・」」」」
無言の間。
「・・・・えっと、
笹宮 風優です。これからよろしくお願いします」
そうしてぺこっと頭を下げる。
「はい、OK!んじゃー、笹宮は武田の隣な!」
「はい」
短く返事をして、一つの空席へと足を運ぶ。
「よろしくな!」
隣の武田君はとてもフレンドリーな人だった。
おかげで、私の新しい高校生活は好調で始まった。
周りもとても気さくで優しい人たちばかりで、
まだ入ったばかりの私にたくさん声をかけてくれた。