「はやく2人が付き合えるといいね」
「そうだな」
私は葵ちゃんと多田くんが話している様子を見て、微笑ましい気持ちになった。
それから午後の授業が終わり、放課後になった。
「美憂、行くよ」
「うんっ!」
カバンを持って、立ち上がる。
すると。
「多田くん、はやく来ないと置いていくからね」
「待って葵ちゃんっ!!!」
葵ちゃんと多田くんが一緒に教室を出ていこうとしていた。
多田くん、ちゃんと誘えたんだ。
よかった。
ホッとしていると、ふと多田くんと目が合った。
多田くんはニコッと笑って、口パクで『ありがとう』と言った。
私は大きくうなずいて『がんばれ』と返した。