「あ、そういえば」
私はふと、今朝多田くんに言われたことを思い出した。
「ん?」
「拓磨くん……私に対して、なにかガマンしてるの?」
「えっ、なんだよいきなり」
「ねぇ、答えて」
「そ、それは……」
拓磨くんは言いづらそうに私から目をそらす。
……多田くんの言う通り、やっぱりなにかガマンしてるんだ。
「……してるよ、ガマン」
「へ……?」
「本当は美憂にキスしたいし、ずっと触れてたい」
拓磨くんの言葉に私の体は熱を帯びる。
あ……そういうことだったんだ。
多田くんの言葉の意味が、ようやくわかった。