「美憂、寒くない?」
「うん、大丈夫だよ」
お弁当を食べながら、拓磨くんの優しい言葉に嬉しくなる。
「そういえば、多田くんが少し元気ないんだけど……拓磨くん、なにか知ってる?」
「いや、知らない」
拓磨くんも知らないのかぁ~……。
じゃあやっぱり本人に聞くしかないか。
「今朝までは元気だったのになぁ~……急にどうしちゃったんだろう」
いつもあんなにハイテンションな多田くんの元気がないと、少し心配だ。
「美憂」
「ん?……ひゃあっ」
考え込んでいると、突然拓磨くんが名前を呼んで抱き寄せてきた。
思わずお弁当箱を落としそうになる。
「どうしたの?拓磨くん」
「……いくら祐輝のことでも、他の男の話をしないで」
「へ……?」
「……俺、カッコ悪いね」
そう言って、私を解放する拓磨くん。
もしかして……ヤキモチ?
か……可愛い!
拓磨くんがヤキモチ焼いてくれるなんて……!