キーンコーン―――
チャイムが鳴って、私と葵ちゃんはそれぞれの席に着く。
昼休みまであと1時間。
頑張りますか。
4時間目は好きな現代文でなんとか乗り切ることができた。
「お昼休みだ~」
お腹空いた~……。
授業中、何回もお腹鳴っちゃったし。
まぁ、周りの人には聞こえてなかったっぽいからよかったけど!
「美憂、行くよ」
「うんっ」
お弁当箱を持って、いつも通り屋上へ。
屋上の扉を開けると、冷たい風が吹き抜ける。
「寒……」
「そろそろ、屋上で食べるのも限界がきたね。明日からは教室で食べよ」
「うん、そうだね」
今日はもう屋上まで来ちゃったし、ガマン。
ていうか、今までよくこの寒さまで耐えられたな。
拓磨くんと話してると、寒さなんて感じなかった。
楽しくて寒さまで忘れるなんて……。
拓磨くんの隣で、お弁当を食べ始める。