「やっぱり葵ちゃんは、多田くんが好きなんだね」
「な、なに言ってるの？」
「私にはわかるよ」
葵ちゃん、本当は素直になれないだけで、多田くんのことが好きなんだ。
多田くんと話してるときの葵ちゃん、恋してますって顔だし。
それに、お兄ちゃんに認めてもらいたいって思うってことは……好きってことでしょ？
「私、葵ちゃんの恋、応援してるからね」
「美憂……」
「次は私が葵ちゃんを応援する番だもん」
今まで葵ちゃんに何回助けられたことか。
だから今度は私が背中を押してあげないと。
「……そうね、お兄ちゃんに少し話してみる」
「ほんと！？」
「うん、ありがとう美憂」
葵ちゃんは頬を少し赤らめて、ニッコリ笑った。
あぁ、葵ちゃんはやっぱり恋してるんだ。
葵ちゃんの笑顔から恋する乙女オーラが伝わってきた。
