「拓磨くん、やっぱり毎朝ムリに私の家まで迎えにこなくて大丈夫だよ?学校の最寄り駅とかに集合でもいいし」
毎朝、HRが始まるまで寝ている拓磨くん。
きっと、遠いのにわざわざ早起きして私の家まで迎えにきてくれているせいだと思う。
「……いや、ムリなんかしてない。俺が美憂を迎えにいきたくて行ってるだけだから」
「でも……」
「本当に大丈夫だから。心配はいらないよ」
優しく笑って、私の頭をポンポンと撫でる。
「1秒でも長く、美憂と一緒にいたいんだよ」
拓磨くんのその言葉が嬉しくて、思わず笑顔になる。
「えへへ、私も」
まさか、こんなにも拓磨くんを好きになるなんて、拓磨くんと出会ったばかりの頃は想像もしてなかったな。
拓磨くんと一緒にいられる幸せを感じられるようになるなんて。
今でもたまに、これは夢なんじゃないかって思うときがあるほど、幸せだ。
「ねぇねぇ、また放課後一緒にどっか行こうよ」
急に、拓磨くんと放課後にデートしたくなって、言ってみた。
「あぁ、じゃあ今日にでも行く?」
「え!いいの?」
「うん」
やったー!
拓磨くんと放課後デートって久しぶりだ。
確か……アップルパイ食べにいった以来?