大学生になってすぐに、彼氏ができた。



「はる」



わたし、平川 悠(ひらかわ はる)は、声のする方を振り向いた。

声の主はわかっていたけれど。



「筋トレするからまってて、おわったら飯食おう」



上田 望良(うえだ みよし)、わたしの彼氏。


高校からラグビーを続けていて、その細身な身体からは想像できないけれど筋肉はしっかりついている。

県の選抜にも選ばれたことがあるらしい。

顔はイケメン。
たぶん、学部内でいちばん整った顔をしている。


わたしは可愛くもないし、抜群にスタイルがいいわけでもない。
女の子らしくもないし、特別性格がいいとも思わない。

それなのに、何か騙されてるんじゃないかと思ってしまうほど、彼はわたしのことを愛してくれている。



もちろんわたしも同じくらい彼のことがすきだ。