「でも、まぁ…」

コーヒーを置き、健流が話を切り出す。

「前にも言ったけど、
何かあったら頼ってこいよ。
由乃はすぐかかえ込んじゃうから。」

「うん。ありがとね。」



やっぱり健流はよく分かってる。

改めて思う。

健流こそ優しい人間で、周りをよく見えてるんだよ。

こんな私じゃ…
秀人さんの前に出る以前に、翼沙や綾人の前にも出られない。



「俺の用はそれだけ。
この後、急用入っちゃったから行くなっ」

「あぁ。わざわざありがとね健流。」