「もしかして高校の時出逢ったって言う『笑顔が可愛かった子』か?
俺と同級生くらいの。」

「…それも分かんね。あまりにも時間がたちすぎちゃったからな…」

(そりゃそうだ。5年も前の話なんだから)

「ただ、すごく印象的だったんだ。
今でもあの笑った顔だけは忘れられない。」

「兄貴のことだから、高校や大学で告白されたりとかあっただろ?」

弟の俺が言うのもなんだけど、兄貴はかなりのイケメンだ。

俺もなんで兄貴みたいなイケメンに生まれなかったんだよ…(←無自覚)

「まぁな。でも特に好きな人がいた訳でもないし、告白されたからって付き合うって訳でもないだろ。」

(真面目だな、そういうところは…)

「でもまぁ、もしまた会えるようなことがあったら好きになっちゃうのかもな…」




最後の言葉は俺の耳まで届かなかった。