最後なのに、うんとか分かったとかしか言えなかったな...。

最後まで素直じゃない可愛げのない私。

別れ話は卒業式で言おうと思ってたらしいというのを知るのはあとになる。

別れを告げられ呆然と立ち尽くし、親を探して。

速攻で消え入りそうな小さな声で「母さん......帰ろぉ.....。」と言った。

途中、奏人がいて。母さんによると何故か母さんにおじぎしたらしい。

車に着く前に、こらえていた涙は言う事を聞くわけもなく溢れてしまって。

奏人に恋して何度も泣いた。苦しんだ夜もあって、怒った日もあって。

かかってこない電話を待った。返ってこない手紙を出した。