「いやー、びっくりしたね。まさか王族のお嬢様が出てくるとはねー。」
「まぁ、いいんじゃないのー。入学式も早まったしねー。」
そう。王族の登場により、収集がつかなくなった為、急遽予定が変更され解散となったのだ。
「ってか、これからどーする?寮に戻るには時間がありすぎるしなー。……あっ!!噂のお嬢様でも見に行こっか!」
美澪は、先ほど聞いた優吏の独り言が気になり、一体どんな子なのか見てみたくなった。もしかしたら、優吏の恋人ではないかという不安があるが……。
「…えー…嫌だー。部屋でのんびりしたーい。」
もちろん、そんなこと優吏が気づくはずものもなく、面倒ごとにに巻き込まれたくない一心で断った。
「はぁ?!良いから行くわよ。ほら、走るッ!」
その断りが、より美澪を不安にさせ美澪は強行手段にでたのであった。
「優吏のタイプって、年下だったの!?それならどうしよう…」
嫌がる優吏を引き摺りながら、ボソボソと独り言を言う美澪の姿は、ものすごい勢いだったとか、なかったとか…