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彼と過ごす時間は、あっという間に過ぎる。
幸せな時ほどそう感じるらしいけど。クリスマスのあの日、告白されたのが昨日のことのように思い返せるのに、目を開ければ桜咲く季節になっている。
ベランダから見下ろせば、真新しいスーツを着る新社会人たちの姿。
緊張と期待の面持ちは、在りし日の自分を思い出した。
「いいか、夢見すぎちゃダメだからねっ!社会は理不尽だらけ!でも、働かなきゃ稼げないんだああぁ!」
「雨音ー、そんな激励はいいから。いってきますのキスして」
※さながら、在りし日の自分に叫ぶかのようでした。