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「ぜぇ、ぜぇ……。と、ともかく、クリスマスのチキン食べて、ケーキも食べたのですから、今日はこれで勘弁して下さいよ」
「クリスマスらしいことする前に、俺は雨音と恋人らしいことしたいんだけどねぇ」
パジャマのボタンを外しにかかる手をかわす。
「手つきがいやらしいですよ」
「目つきもいやらしくなれるよ。久々に大好きな彼女と会ったのだから、見るだけで、うん、出来る」
「何を!?」
「まあ、直接見ずとも、いつも想像しているんだけどね。俺がいない日、雨音も雨音で、一人で慰めているんじゃないかと。仕事のストレスが溜まりに溜まって、その捌け口として俺のことを想像しながら。俺の名前を呼んで、いつかの指使いを思い出し模倣しても、やっぱり俺の長い指じゃなきゃ物足りないと身をよじり、クッ、シーツを乱すほどよがって、そんなに欲しいなら指でも舌でも、何でも貸すのに、こんな夜遅くに呼んではとスマホを何度も見ながら、君の指は相も変わらず俺の模倣を、呼び出せばいい。来てと、欲しいと、俺を求めればいいのに、なんで君はたった一人っきりでいる。一人で、俺がいるのに、俺が俺が、俺がいるのにさぁぁ!」
「とりあえず、落ち着いて下さい」
※彼氏もまた、ある特殊な病気に(略。