になっていて、下級生に正しいことを言えるようになっていると思う。その時は、絶対に後輩に嫌われることを恐れるな。正しいことを言えば、その時は嫌われてしまっても、後から絶対にその後輩は感謝する。『あの人はいい先輩だった。いつか自分もあの先輩みたいになろう。』って、絶対に思ってくれる。麻美はそれを信じてきた。いつか今の1年生が、麻美の事を自分の見本として記憶に残ってくれるように。最後に、これまでの戦いは麻美はね、命懸けだったよ。どの戦いも勝つために命懸けだったよ。だからみんなも引退なんてすぐにしちゃうから、絶対に後悔しないように、どの試合も一生懸命に戦って、命懸けで望んで。それが、中学バスケに望む、麻美の願い。みんな、今までありがとう。…以上です。」
みんなが泣いていた。
もちろん、あたしも。
過去にはこんな感動するスピーチではなかった。
あたしのことにだって、何にも言ってなかったのに…。