「なんか咄嗟に出ちゃって…。」
苦笑いしながら言ってみる。
「努力の成果か?」
「どうでしょうねー?あたし自身、みんなに置いていかれないように当たり前の事をしてるつもり何ですけど、それをみんな努力って言うんです。」
これは本心だ。
「でも、1年生の女子はその菜穂のいう、
『当たり前の事』を菜穂以外やっていないわけじゃん?だからそれはバスケを『頑張ろう』っていう気持ちから来ていると俺は思うんだ。だからみんな菜穂の事を、『努力している』って言うんじゃないかな?少なくとも俺はそう。そもそも菜穂のしていることを『当たり前の事』とは思わないからね。やっぱり、バスケに対する『気持ち』だと思うよ。だから俺は、菜穂のその考え方は今後絶対大きな物になると思う。
その気持ちを忘れずにいればね。菜穂の今日のシュートは、俺が今日菜穂に告白しようと思った原動力になったんだ。それは、『努力した菜穂』にしかできなかったこと。菜穂には人を動かす力があるんだ。
菜穂さ、ジャーナリストの『ピーター・ポルグマン』って人知ってる?」