「でもさ、琉生はプレイもできるけど、それ以外のところも一番やってるよね。」
「菜穂には負けるよ。菜穂は、一年生の中で、一番やってる。月斗さんも言ってたし。『菜穂は、バスケ中学スタートとは思えないくらい努力してるし、プレイ以外の仕事、一番頑張ってる。だからその分、絶対後から結果が付いてくると思うんだ。』って。」
え?ヤバイヤバイ。めっちゃうれしい!涙出てきそう。
「すっごくうれしい!…でも、麻美さんにも言われたかったなぁ…。」
少し苦笑いしながらいう。
その時、突然、ゴンッという音が響いた。
「いっっってぇぇぇぇ!」
琉生が、すごく大きな声で叫んだ。
「ど、どうした…」
「おいコラ琉生。てめぇ、なに菜穂に言ってんだゴラ。殺されてぇのか?」
つ、月斗さん!?こ、怖いです…。笑顔で言ってるけど、目が笑ってないです。
「あ、すいません。月斗さん。おはようございます。早いですね。」
「なに揚々と挨拶してんだよ。あ、おはよう、菜穂。」