二週間というのは本当にあっという間であった。

二人きりの時間が長く、より一層愛を深めあった。

「……今度は、冬休みやな」

「うん……」

二人の間で過ごした愛のある日々は充実していて、とても密度の濃いものであった。

「次は……良いプレゼント持ってくるから、待っといてや」

愛が寂しさを隠しきれない表情でいればにこりと笑い、また優しく頭を撫でる。



「さみぃ……」

最近の満里奈の口癖は寒いだ。
冬なのだから当然とは思うが、彼女の話を聞き、同意の意味を込めて苦笑いしながらこくんと首肯する。

「……そろそろ、彼氏と会う時期やなあ」

「……そうだね」

愛はあまり乗り気ではない返事をする。

理由は、良介に話さなければいけないことだけれど話すと離れられてしまうのではないのかと不安になるのだ。

愛は良介と別れてから二ヶ月後、押さえきれない吐き気で不安になり病院ほ行くと、妊娠していることが分かったのだ。

冬休みに入る前が最後の大学生活となる。

今、四ヶ月目となりお腹の膨らみが少し気になり、愛は満里奈にですら食べ過ぎて太ったのだと言っている。

「ほら、行ってきいや。彼氏が待っとるで」

満里奈が不満そうではあるが、笑顔を見せて愛の背中を軽く押せば愛はこくんと頷いて空港へ歩いた。


空港へついて体を冷やさないように厚着をしている上に膝掛けをする。

しかし、時間になっても良介は来ない。



最後の便を待っても良介は来なかった。
電気が消え始める。




「……白石……愛さん、ですか……?」

愛に話しかけてきたのは、同世代くらいの背の高い爽やかな青年であった。