「愛っ……!」

空港で待っていたのは、会いたくて会いたくてたまらなかった愛しの彼女、愛。
愛を見つければ少し響くほどの声量で愛を呼び、ぎゅっと後ろから抱きつく。
愛は驚いていて、すぐに現状を把握すればにこりと微笑む。

「おかえり……」

愛も会いたくてたまらなかった人の声を聞けば、一瞬泣いてしまいそうになったが、涙をこぼすことはなくにこりと微笑み、抱き締めてくれる手を優しく自分の手で包んだ。

「日本におれるんは二週間やねん、せやからな……これから旅行行くで、愛!」

「へっ!?」

突然の良介の発言にただ目を丸くするしかない。
良介は愛の手を取りにこりと笑う。

そして、向かったのは愛の通う大学の近くのホテルだ。

「二人で二週間ずっとおりたいねん、短期大学やから今の時期就活しとるやろ?その邪魔やしたないし、一緒に寝泊まりしたら何も問題ないからな!」

にっと笑い自信あり気に言う良介であるが、その発言に若干苦笑いをして、ため息をついてしまう。

「えっ、ちょ、ちょっ……」

「大丈夫や、予約ならしてるし愛、安心せえ」

にっと笑う良介を見ながらつい、苦笑いと不安を隠せずにいてしまう。

「ち、違うっ……」

「酷いことやせぇへんわ。一緒におりたいだけやし」

にこりと笑いながら愛に言う。
正直、全然不安がなくなったと言えば嘘になるが、愛は相手が良介なのだから、悪いようにはならないと確信し、反抗するのをやめた。

二人は二週間の間毎日一緒にいて毎日笑い合い、ますます二人でいられる喜びを感じ幸せを噛み締めていた。