「ふーん。 ついに買ったんだ。
男って大変だよね。…って、俺も走太さんも男だけど。


近藤さんはまだ来てないけど、何か飲んでる?」



納得して目の前の2人に問いかける。



「俺ビール」


「じゃあ、俺も」



「了解。 ウメちゃんも同じでいいか。

近藤さん来たらシャンパンで乾杯だし」



ビアグラスを4つとロンググラスを1つ用意した。



それぞれの飲み物を完成させ、盛り上がっているテーブルに声をかける。



「千波ー、そろそろ戻ってきて手伝えよ?」


「はーい」



ウメちゃんの左手を解放し、ちょこちょこと走ってきてカウンターの内側におさまる千波を清海は面白くなさそうに見やり、走太さんは戸惑い気味。


テーブルから戻ってきて清海の横に座ったウメちゃんはニコニコしていた。





「はい、大人はビール。
未成年はウーロン茶ね」



「私だけ仲間外れ……」



「当たり前でしょ。 後半年は我慢しな」



千波の鼻を摘まんでやる俺を益々面白くなさそうに清海は見ていた。




「とりあえず乾杯しておく?

ウメちゃんの綺麗な指輪にでも」



俺はわざと清海を無視してグラスを持ち上げた。