実は。
打ち消したつもりでいたけど……。
雪に言われるまでもなく。
このまま妹キャラを全うしてしまおうかという考えは頭を掠めていた。
雪の部屋にたどり着くまで、乗り換えを1度間違えたこともあって考える時間はたっぷりあった。
引き返す車内で1度右に流れていた景色を改めて左に眺めながら、同じはずの景色が左右を入れ替えるだけで結構違って見えることに気付いた。
この景色のように6年前の私と今の私も同じはずなのに結構違って見えているのだろうか?
同じだとしても。
違っていたとしても。
間違いないのは、
『出会った時』の私を越えていないということだ。
シンタくんにとって
『妹みたいなもん』という枠の中にはまりこんだままの私は。
どうやったら抜け出せる?
どうやったら抜け出せたと思える?