それからして数年俺は

結婚を前提に付き合っている女性にプロポーズする予定だった。

駅の改札を抜け待ち合わせの場所に行き

こいびとつなぎをして電車を待っていた。

すると後ろから

「…うき。りゅ…う…き」

と、諒の声が聞こえた。

俺は『バッ!』っと後ろを向いたが

誰もいなかった。

考え過ぎかなー?と首を傾げると

電車が来た。

『黄色い線の内側に入らないでください』

と言うアナウンスに従い外側にいると

俺は押された。『何か』に。

その『何か』とは

死んだはずの諒だった。

俺を突き落とした諒は笑いながら消えていった。

死ぬ前に聞こえた

『これで俺たちはずっと一緒に入れるね』って。