「私…、海司に何もしてあげられてない。

ちゃんとお礼も、言えてないのよ。

あの事故に遭った時、私を守ってくれたこと。

平凡だった私を、こんなに綺麗にしてくれたこと。

それから、私を好きって言ってくれたこと。

ありがとうって言えてないんだよ」


海司の手を握ったまま、頭を下げた。


そうしたら涙の滴が、ぽたぽたとスカートの上に落ちた。


「恵介君に言われて、やっと気づいたの。

私、海司が好きだよ。

本当に大好きなの。

誰よりも大切で。

かけがえのない人なの。

だから、お願い。

目を覚まして。

手遅れだなんて、そんなの嫌だよ!

ずっとずっと。

私のそばにいてよ……」


大好きだよ、海司。


本当に大好き。


こんなに海司が好きだなんて、知らなかった。


この気持ちを海司に伝えたい。


直接、好きって言いたいよ……!








「それ……。






本当?」