「ううん、俺の方こそごめん。

ふたりの絆はすごく強いってわかってたのに。

それを俺が無理矢理、ふたりの間に割って入ったから」


「そんなことないよ…」


憧れの恵介君に告白されて、浮かれてOKしたのは私なんだもの。


「海司から花音ちゃんをとったこと。

今は後悔してるんだ。

俺から花音ちゃんを奪いたくて、だから海司はサッカーなんて始めて。

それでケガしてあんなことに……」


「恵介君、それは違うよ!それを言うなら私のせいだよ。

6月の事故の時も、私をかばったから海司が大怪我したの。

今回だってそう。

私のためにサッカーでも何でもやるって言い出して、それでケガして。

全部、私のせいなの……」


ごめん。


ごめんね、海司。


こんな目に逢わせて。


「どうしよう。

もう二度とあえなかったら…。

私、海司に何もしてあげてないのに……っ」


「花音ちゃん…」


私の見た目を180度変えてくれたり。


私の部屋のクローゼットを、素敵な服や下着でいっぱいにしてくれたり。


異性から相手にされていなかった私が、男の子から告白されたりするようになったのも。


全部全部、海司のお陰。


私だけが沢山もらってばかりで。


私からは何もしてない。


せっかく気持ちに気づいても、


海司に伝えることも出来ないなんて。


そんなのあんまりだ。


神様。


お願いだから、海司を連れて行かないで。


どうか。


連れて行かないでください……!