「え……?」


それって、どういうこと?


「な、なんで…?」


もしかして、私が電話に出なかったから?


確かにそれは彼女として、やってはいけないことだったけど。


でもだからって別れるなんて。


あまりにも短絡的過ぎる。


「海司がもう目を覚まさないかもしれないって聞いて…。

俺…、すごくショックだった。

だって、一番の友達だよ?

海司を失うかもしれないって思ったら、

もう生きた心地がしなかった」


私もそうだよ。


ここ数日、魂が抜けたみたいで。


何も考えられなかったもの。


「あまりにもつらくて、苦しくて。

ものすごく、花音ちゃんの声が聞きたかったんだ。

だけど何度電話しても、メッセージを送っても。

花音ちゃん、出てくれなかったよね…」


「ご、ごめんね。本当にごめんなさい。

恵介君がつらい時に、電話に出なくて。

私もすごくショックで、ここ数日誰とも何も話す気力がなくて、ずっとべッドに潜り込んでたの。

でも…、もう大丈夫だから。

だから、別れようなんて言わないでよ。ね?」


これからは元気を出すから。


ちゃんと恵介君を支えるから。


そう必死に訴えるけど、


恵介君は首を横に振った。