だけど、実際恵介とお前が付き合うようになると。


俺は笑顔でいるどころが、イライラが止まらなかった。


普通にしていたいのに、お前がそばにいるとつい冷たい口調になってしまって。


せっかく大切なことがわかったのに。


どうして俺は穏やかな心でいられないんだろうって、すごくもどかしかった。


昨日はもうイライラがピークになって、それで俺の家の玄関で怒ってひどいことをしたけど。


あれでハッキリした。


俺は、花音が好きなんだ。


入れ替わっていた時、俺…お前の前で泣いたよな。


情けない姿を見せた俺を、お前は抱きしめて励ましてくれたよな。


多分あの時から、俺はお前に惹かれていたんだ。


もう、好きになってたんだよ。


それなのに理解のあるフリをして、恵介とうまくいくように応援してたんだ。


でも…、もうそんなことは出来ない。


一度失いかけた命だ。


俺は、悔いのないように生きたい。


恵介を失うことになっても。


お前だけは失いたくない。


お前を手に入れるためだったら。


俺はサッカーでも何でもやる。


反則技を使おうが、


絶対にお前を手に入れてみせる……!