「マネージャーさん、お疲れーっす」


「お疲れ様ー」


着替えを終えた部員達がゾロゾロと部室を出て行く。


その姿を横目に見ながら、私はボールを片付けていた。


「さて、これで最後かな?」


全部片付いたし、私もそろそろ着替えに行こうかな?


そう思って部室を出てしばらく歩いていた時。


「よう」


誰かに声をかけられた。


「か、海司……」


その声の主は、海司だった。


「海司、あのさ…」


「もっとバテるかと思ってたけど、大丈夫だった。

最近、肉が食えるようになったからかな。

意外にスタミナあったわー」


「海司、さっきの話だけど…」


「これからは肉も米も沢山食わないとなー。しっかり食わないと倒れちまう」


「もう海司ったら、ちゃんと話を聞いてよ!」


どうして私の言葉を遮って話すの?


話したいことが山のようにあるのに!


「シッ」


そう言ったかと思うと、突然海司は私の唇に人差し指をチョンと当てた。


唇に触れる指先の感触に、ドキッと心臓が跳ねた。


「冗談じゃねぇーから…」


何?


どういうこと?


私は顔を動かしたくても動かせなくて、ただその場に立ち尽くしていた。


「さっき言ったこと……、



本気だから……」