「花音ちゃん、こっち終わったから洗濯していいよ」


「ありがとう、風香ちゃん」


男子バレー部のマネージャーの風香ちゃんにお礼を言うと、私は早速バサバサと大量の洗濯物を洗濯機に入れた。


洗剤はこのスプーンに一杯だけ、と。


以前、この場所を泡だらけにして海司にひどく怒られたっけ。


それにしても…。


今日海司は珍しく学校に遅刻して来た。


一度も顔を合わさず、話すこともなく放課後を迎えてしまったけど。


これからどんな顔をして海司に会ったらいいんだろう。


そんなことを考えていたら。


「花音ちゃんっ」


部室から恵介君が出て来て、声をかけられた。


「どうしたの?なんか慌ててるね」


「うん。だって、興奮が冷めやらなくて」


「えっ、何か良いことでもあったの?」


私の問いに、呼吸を整える恵介君。


こんな恵介君を見るのは、初めてのような気がするけど。


「聞いてよ!

なんとね、

海司がサッカー部に入部するって!!!」