うそ…。


海司、あまり話さなくなったの?


「それで、わかっちゃったんだよね。

立花君は、花音に頼まれたから仕方なく来たんだよ。

だから花音の姿が見えなくなったら、頑張る必要もないから、素の状態に戻っちゃうんだよ。

そんな立花君を見ていたらね、とてもじゃないけど、私なんて眼中にないんだなあってハッキリ確信しちゃったのよ」


「唯…」


「立花君にとって私は恋愛対象じゃない。

そんな目で見てもらえる日は、きっと来ない。

だからね、もう無駄な努力はやめようと思うの」


「そんな……」


海司があんなふうに、女の子に優しくするところは初めて見たのに。


それでも全然可能性がないって言うの?


「考えてみたら当然なんだよね。

だって、相手はあの立花君だよ。

成績が良くて、スポーツ万能で、あんな綺麗な顔をしていて。

そんな立花君が、私なんか相手にすると思う?

彼の彼女になる人は、きっと彼くらい完璧な女の子なんだと思う…」


そう言って、目に涙を溜める唯。


そんな唯を見ていたら、私もなぜか泣きそうになっていた。