結局私達4人は、閉園に近い時間まで遊んで遊園地を後にした。


途中まで一緒に乗っていた唯と恵介君は、先にバスから下りて。


家が隣同士の海司と私は、当然ながらまだふたりでバスに残っていた。


一番後ろの座席に、4人で並んで座っていた私達。


真ん中にいたふたりがいなくなったから。


海司は右側の窓際に。


私は左側の窓際にいる状態だ。


空いた空間が、ひどく遠く感じる。


今日、海司とは一言も話していない。


朝からずっと一緒にいたのに。


海司は、恵介君と唯と話してばかり。


どうして…。


どうして私とは話してくれないの?


なんで…?


「ねぇ、海司」


私は海司の方を見ながら、彼を呼んだ。


だけど海司は、頬杖をついたまま窓の外を見ている。


「ちょっとくらい私と話してくれても良くない?

いくら私に彼氏が出来たからって、いきなりよそよそし過ぎるよ」


話してもくれない。


視線すら合わせてくれない。


「ねぇ、こっち向いてってば!」


私の言葉を黙って聞いていた海司だったけど。


しばらくして。


ゆっくりと私の方へ視線を向けた。