「か…いじ?」


何が何だかワケがわからない。


私の両手首を押さえ付けて、私を上から見下ろしている海司。


私の脚は、海司の両膝にガッチリ挟まれていて。


全然…、身動きが取れない……。


「男の部屋に入るって、こういうリスクがあるんだよ。わかってる?」


海司が低い声で言った。


「ど、うしたの?急に。なんで?」


そう尋ねると、海司はきゅっと目を細めた。


「あのな、お前はもう恵介の女なんだ。

いくら家が隣同士だからって、身内みたいな顔してこの部屋に入るな。

俺と恵介は友達なんだ。

俺は、あいつに嫌な思いなんか、させたくないから……」


「海司……」


あぁ。


そうか…。


こうして海司の部屋に入るのは、恵介君に対して裏切りになっちゃうんだ……。


「ご、めん。

私、何も考えてなかった。

もう、ここへは来ないようにするね。ごめん……」


「わかったんなら、いい……」


そう言うと海司は、スッと立ち上がってベッドから離れた。


私も、ゆっくり身体を起こした。