「う~ん……」


私はスマホの画面を見たまま、固まっていた。


『私、海司君ともっと仲良くなりたいんだ。

でも、なんだか最近の立花君って、また前みたいに物静かになっちゃって、なんだか話しかけにくいんだよね。

せっかく花音と佐野君が付き合い始めたんだからさ、4人でどこかへ行こうよ。

二人の邪魔はなるべくしないようにするから。ね?』


唯はそう言って、必死に頼み込んで来た。


親友の頼みだし、聞いてあげたいのはやまやまだけど。


なんて言って海司を誘い出そう。


どう言えば、海司は来てくれるんだろう。


電話した方がいいのか、メッセージを送った方がいいのか。


「あーーー!」


あれこれ考えるより、直接会いに行った方がいいかぁ。


よーし!


私は意を決して、海司の家のインターフォンを鳴らした。


「はーい」


明るい声と共にドアが開いて、そこから美空さんが顔を出した。


「花音ちゃん。いらっしゃい」


「海司います?」


「うん、部屋にいるよー。上がってー」


私は家に通されて、海司の部屋の前に立った。


この前まで何度も出入りしていたのに、なんだか緊張する。


私はコンコンとドアをノックした。