「じゃあ、何て呼んだらいい?」


「恵介って呼び捨てでもいいよ」


「えーっ。いきなり呼び捨ては難しい。

け、恵介君…とかどうかな?」


「うん、いいよ。

じゃあ俺は、花音ちゃんって呼ぶね。それでいいかな?」


ひゃー。


花音ちゃんだって。


なんか恥ずかしい。


「う、うん。それでいいよ」


赤面する私と恵介君。


なんか付き合うって、くすぐったいよね。


もちろん、それが嬉しいところなんだけど。


教室に入ると、窓際の席に座る海司の姿が見えた。


そう言えば、海司ともう何日も話していない。


朝練があるから、一緒に登校出来ないし。


帰りは帰りで、私は部活があるから一緒に帰れない。


お隣さんだからって、毎日顔を合わすわけじゃないしね。


こんなことって、高校に入って初めてじゃないかな……。


「かーのんっ」


「あぁ、唯。おはよ」


「佐野君と仲良く登校?いいねぇ、ラブラブで」


「もう、そんなこと言わないでよ。恥ずかしい」


「でも、本当に良かったよねー。憧れの佐野君と付き合えるようになって。

そんな幸せいっぱいの花音にお願いがあるんだけどー」


「お願い?お願いって何?」


「近いうちにさ、4人で出かけない?」


「4人?」


4人って、一体誰のこと?



「花音と佐野君と、



私と立花君!」