俺の言葉に、恵介が目をパチパチとさせている。


「どうしたの?急に」


「どうしたもこうしたもないっつうの。

さっき花音が6組の男に告られてたぞ」


「えぇっ!うそっ」


「嘘じゃねぇよ」


「-で、美倉さんはなんて?」


「一応、断ってたけどさ。

でも、アイツを狙ってるヤツって他にもまだいるぞ。

サッカー部の石川だって、いまだにギラギラした目で花音のこと見てるし」


「う、うーん……」


俺がアイツを完璧な身体に仕上げちまったからなあ。


あの容姿で、あの飾り気のない性格。


モテるのは、当然のことだろう。


「そうか。のんびりしてたら、他の男に取られる可能性があるんだ」


「まぁ、そういうことだよ」


「で、でも…。美倉さんって、俺のことどう思ってんだろ?

ただの、サッカー部員なんじゃないかな…」