うそ…。


海司って、そんなこと…する?


「口は確かにきついよね。ハッキリ物を言うし。

でも行動は違うと思う。

私、それに気づいちゃった。

彼は、本当に優しいよ」


優しい?


そうかな。


なんだか、よくわからない。


「私、立花君に頑張るつもりだから。

花音、協力してくれるよね?」


「え…?」


「花音はお隣さんだし、仲も良いし。

これからは、パスをどんどん回してよね」


「あ、あぁ、うん。もちろん」


「良かったー。ありがとー」


唯が、海司を。


中身が私じゃない、素の海司を好きになった……。


唯が誰かを本気で好きになるのは、初めてのことだから。


ちゃんと応援してあげなきゃ。


女子とはほとんど話さない海司も、唯とは一緒に初詣に行けるんだから。


全然、脈なしってこともないんだよね。


ここは、私が頑張らなくちゃ……。