「佐久間、そろそろ行こう」
それまで黙っていた海司が言った。
「え、でも…。せっかく佐野君や花音に会えたのに」
海司の言葉に、オロオロとうろたえている唯。
「いいから。来いって」
唯の着物の袖を引いて、その場を立ち去ろうとする海司。
「か、海司!」
やだ。
どうして私、呼び止めちゃったんだろう。
だって、なんか…。
海司が、海司じゃないみたいで…。
私の声に、ゆっくり振り返る海司。
バチッと目が合って、ドキッと心臓が音を立てた。
海司は、無表情で私の顔を見ていて。
その顔を見ていたら、何も言えなくて。
そんな私に痺れを切らしたのか、海司はあっさり背を向けて境内の方へ向かって歩いて行ってしまった。
「じゃ、じゃあ花音。私行くね。また連絡するから」
「う、うん。またね」
そう言って手を振ると、唯は海司を追いかけてパタパタと走って行ってしまった。
「なんか、意外なツーショットだったね」
ふたりの背中を見ながら、ボソッとつぶやく佐野君。
「うん…」
ほんと。
すごく意外な組み合わせ……。
確かに私は海司の姿になっている時、唯達に気軽に話しかけていたけど。
でも……。
海司自身が、私以外の女の子とふたりきりでいるところなんて。
初めて見たよ……。
それまで黙っていた海司が言った。
「え、でも…。せっかく佐野君や花音に会えたのに」
海司の言葉に、オロオロとうろたえている唯。
「いいから。来いって」
唯の着物の袖を引いて、その場を立ち去ろうとする海司。
「か、海司!」
やだ。
どうして私、呼び止めちゃったんだろう。
だって、なんか…。
海司が、海司じゃないみたいで…。
私の声に、ゆっくり振り返る海司。
バチッと目が合って、ドキッと心臓が音を立てた。
海司は、無表情で私の顔を見ていて。
その顔を見ていたら、何も言えなくて。
そんな私に痺れを切らしたのか、海司はあっさり背を向けて境内の方へ向かって歩いて行ってしまった。
「じゃ、じゃあ花音。私行くね。また連絡するから」
「う、うん。またね」
そう言って手を振ると、唯は海司を追いかけてパタパタと走って行ってしまった。
「なんか、意外なツーショットだったね」
ふたりの背中を見ながら、ボソッとつぶやく佐野君。
「うん…」
ほんと。
すごく意外な組み合わせ……。
確かに私は海司の姿になっている時、唯達に気軽に話しかけていたけど。
でも……。
海司自身が、私以外の女の子とふたりきりでいるところなんて。
初めて見たよ……。