「え……?どういうこと……?」


なんで?


ワケがわからないんだけど。


「おー、海司じゃん。偶然だなあ」


「よう、恵介」


唯と一緒にいたのは、海司だったの?


「どうしてふたりが一緒にいるの?」


思わず聞いてしまった。


だって海司、さっき会った時は唯に会うなんて、ひと言も言ってなかったじゃない。


「立花君とは偶然会ったの。

私はさっきまで家族と一緒にいたんだけどね。

一人で歩いてる立花君を見かけて、一緒にお参りする?って私が誘ったの」


偶然……。


そうなんだ。


でも、海司がどうして一人で初詣なんかに?


去年は確か、おじさんとおばさんと一緒に行ってたじゃない。


あぁ、そうか。


今おばさんが療養中で実家に帰っているから、一緒にお参り出来ないんだ。


おじさんもおばさんの実家にいるし、家には美空さんと海司だけ。


美空さんとふたりで行くはずもないだろうし。


だから、ひとりで来たんだ……。


「唯。着物似合ってるね」


「えへ。お母さんが着つけてくれたんだ」


「すごい綺麗だよ」


「ほんとー?ありがと」


唯って、きちんとした格好をしていたら綺麗なんだね。


海司の隣にいても、なんだかやけに似合っていて…。


違和感がなかったもの。