「大丈夫?」


そう言って顔を出したのは、俺の母さん……ではなく、花音の母ちゃんだった。


「良かったわ~。無事で」


花音の母ちゃん、俺の事まで心配してくれたんだな。


「生きてて良かったなあ」


おじさん、涙目じゃんか。


「頭痛くない?」


花音の弟の蒼太まで。


いつもは生意気な口叩くのによ。


「それにしてもねぇ…。

花音は無事だったけど、海司君が…」


ん?俺?


何言ってんの?


俺は大丈夫なんでしょ?


「ショックだろうけど聞いて。

海司君ね、意識不明なのよ」


花音の母ちゃんの言葉に、俺はガバッと身体を起こした。