私は庭に出て、スマホを取り出した。


「美倉花音」


自分の番号を探す。


そして電話をかけた。


『花音?どうなった?』


2コールもしないうちに、海司は電話に出た。


「海司…」


『ん…?』


「おじさんとおばさんね、



離婚しないって」



私がそう言うと、海司は『そうか』と言った。


その後、電話の向こうで聞こえる声は少し鼻声で……。


多分、安心して泣いたんだと思う。



海司。


良かったね。


本当に良かった。


私も自分のことのように嬉しい…。




私達はその日、おばあちゃんの家に一泊して、次の日にマンションに帰った。


おばさんはしばらく休養して、心療内科の先生と相談しながら心のリハビリをするそうだ。


落ち着いたら戻ると言っていた。


その日が今から楽しみな私だった。